改良された通学カバン
M社が、自社の新版ウィンドウズメディアプレイヤーで使われる新しいアドバンスト・ストリーミング・フォーマット(ASF)を発表するために、サンノゼのフェアモントホテルで会議を開いたときのことだった。
E氏とアップルのS氏は、ダイエットコークを飲みながら、統合マルチメディアプレイヤーの開発についてあらためて話し合った。
E氏は、基本はダイレクトXでなければならないとくりかえした。
ダイレクトXはウィンドウズの基幹部に組み込まれて、OSの一部になっている。
クイックタイムではとても代用できないと。
ふたりはさらに、アップルがクイックタイムでいかにして金を稼ぐかについて意見を交換した。
「おれはアップルに、ビデオ編集シールを開発したらどうかと提案した」E氏は、ひろく認知されているアップルというブランドを、成長するデジタルカメラの市場にからめれば、いい儲けになるはずだと主張する。
E氏は、自分はアップルと協力して作業を進めたかっただけだという。
これについても、アップルのS氏の方は別の見方をしている。
S氏の記憶によれば、E氏は、もしもアップルがクイックタイム・メディアプレイヤーの開発を中止せず、このままマルチメディア用オーサリングツールの市場に力を入れていくというのなら、M社は150名のエンジニアを投入して、独自のマルチメディア用オーサリングツールを作りあげ、アップルを市場から叩きだすといったらしい。
「M社としては、アップルをメディアプレイヤー市場から追い払うためにオーサリングヘ投資しなければならないとしたら、必要な資源をすべて注ぎこんでその目的を達成すると」S氏は回想する。
E氏は、「ウィンドウズのマルチメディア機能を模倣しようとするソフトウェアがあれば、M社はそれと闘うことになる」といったのは事実だが、アップルがウィンドウズ版のクイックタイムを開発するのを力ずくで阻止しようとしたことはないと主張する。
1997年の夏が秋にかわろうとするころ、M社にはほかにも心配ごとがあった。
政府高官や、業界の競合他社や、評論家たちが大騒ぎをくりひろげていたのだ。
というのも、インターネットエクスプローラ4が、ウィンドウズにあらかじめインストールされたり、やがて出荷されるウィンドウズと緊密に統合されたりして、無償で提供されることになりそうだったからだ。
多くの批判者たちは、M社のウェブにおける活動は、顧客の要求にこたえるためのビジネス戦略ではなく、N社に対する容赦ない攻撃だとみなしていた。
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